外壁塗装の必要性

一般的に新築から10年以上が経過すると、外壁塗装や屋根塗装を検討するようにもなるでしょう。外壁塗装や屋根塗装を行う際に、まず第一に決めなければならないのが外壁塗料の種類です。一言で外壁塗料といっても様々な種類があるので、どれを選べばよいのかわからないという人も多いものです。外壁塗料にはウレタン、シリコン、フッ素他いくつかの種類があるので、それぞれの特徴について把握することが重要となります。

シリコン塗料

まず第一にシリコン塗料と呼ばれるものです。耐久性と価格が安定していることから非常に人気の塗料です。シリコンを含有していて、汚れにくいという特徴があります。長く外壁塗装や屋根塗装に使われる定番の塗料とされてきました。耐久年数は12から15年程度で、これまでには難しかった真っ白や赤などの比較的濃い色であっても、汚れや色褪せを気にすることなく使えるようになった耐久性に優れている塗料です。このすぐれたシリコン技術を基本にした特殊シリコン系の塗料が数多く発売されています。

無機塗料

そして長い間定番の塗料とされてきたシリコン塗料を、近年追い抜いたものがラジカル塗料です。従来の塗料にはない高緻密無機シールド層によって、UVや酸素、水などによる塗膜の劣化を防ぐことができる特徴があります。どんな外壁にも対応することのできる次世代塗料ともよばれ、シリコンが発売されて以来、10年ぶりに新しく発売された塗料です。シリコン塗料と比較した場合には耐久性にも優れ、最新の次世代塗料なので、技術のある国内最大手3社からしか発売されていません。屋根に関してはまだ上位2社のみとなっています。耐久年数は、シリコンよりもさらに上を行く14から16年です。いくら性能が良くてもあまりにも高すぎてしまうとなかなか市場には浸透することもありませんが、価格面でもかなりリーズナブルな設定となっています。この点からも塗料メーカーの自信がうかがえることでしょう。これまで10年以上にわたりシリコン塗料がトップを独走していましたが、今後はラジカル塗料の時代へと移り変わることが予想されます。一般的な約27坪ほどの住宅の場合には、足場などを含めた外壁塗装工事の総額は55万円から75万円ほどとなっています。

ウレタン塗料

次にウレタン塗料と呼ばれるものです。柔らかい性質で、万能塗料なので、細部の塗装には非常に適しているといえます。しかし外壁の使用に関しては耐久年数が劣り、昔ながらの業者では現在でも使用していることもありますが、人気塗料の価格が下がってきたことから、外壁にウレタンを選ぶメリットが少なくなってきています。細部の塗料には適しているものの、硬い外壁に使用する場合には、耐久年数と性能はシリコンよりも劣ることでしょう。細部の雨樋や鉄板などの適材適所で素材に合わせた使用方法が望ましいといえます。耐久年数は7から10年程度となります。15年ほど前まではコストパフォーマンスがよい塗料として非常に人気がありました。柔らかく密着がよいので、下地によっては現在でも重宝されています。

アクリル塗料

四つ目にはアクリル塗料が挙げられます。これは30年以上前に発売された塗料であり、塗料の主成分である合成樹脂がアクリル系である塗料のことを指しています。発売当初はモルタルのひび割れにも対応できる画期的な商品として注目を集めました。低価格であり何度も重ね塗りができるなどのメリットから、店舗を改修する際や、頻繁に住宅の色をかえたいという人には重宝されてきたものです。しかし汚れやすいという欠点があり、ほかの塗料と比べた場合には耐久性も極端に低いので、現在ではほとんど使われていません。アクリル系塗料の耐久年数は6から8年程度です。耐久性が最も重視されているアクリル系の屋根塗料は、現在では市場から姿を消しています。

フッ素塗料

最後にフッ素塗料についてです。現在でも価格が高く、一般的な住宅に用いるには価格の面でデメリットとなるでしょう。主成分となる樹脂がフッ素系の塗料のもので、耐久性は15から20年と非常に良いので、予算に余裕があるのであれば一つの手段にもなります。東京スカイツリーの鉄骨の塗装にも採用され、とにかく長持ちするものの、値段が高額になるという特徴があります。足場の工事費用だけで数百万円がかかるような物件では、費用の面でも有効的と言えますが、現在の一般住宅ではまだまだ浸透率は低いと言えるでしょう。値段は気にしないので一番良いものを採用したいという人や、訪問販売の業者には非常に人気があるものです。ほかの塗料と比べた場合には、とびぬけて価格も高いので、ほかの塗料を安く感じさせるための手段として使われていますが、耐久性が一番高いのは事実です。一般的に屋根は約2倍の速さで劣化していくものなので、外壁にフッ素を塗装したとしても、屋根の耐久性が追い付かないのが実情です。外壁にはシリコンを使い、屋根にフッ素を取り入れるなどと、組み合わせることも一つの手段です。